介護士の言葉遣いは、敬語であるべきか、それともタメ口であるべきかは、たびたび業界で起こる議論になります。敬語とタメ口にはそれぞれにメリットとデメリットがあり、それを理解することがまずは重要です。敬語のメリットは、丁寧な言葉遣いによって相手に悪い印象を与えにくく、問題が起こりにくいことです。社会人としては、敬語を使うことが基本になります。介護士にとっても、敬語を使っていれば特別大きな問題は起こらないでしょう。
一方でデメリットとしては、言い方によっては冷たい印象を感じやすいという点です。どうしても敬語は、相手と一定の距離を保とうと突き放すような印象を与えやすくなります。相手と仲良くなる上では少し向かないかもしれません。対してタメ口の場合は、相手との距離間を詰めやすく、仲良くなりやすいというメリットがあります。その一方で、過度に崩れた言葉遣いは、相手にとって不快な感覚を与えやすくもあります。急に心の距離を詰められたと感じると、反射的に距離を取ろうとしてしまうのです。
これを踏まえた上で、介護士はどのような言葉遣いをするべきなのでしょうか。敬語とタメ口で言えば、間違いなく敬語になるでしょう。介護士は利用者と仲良くなること自体が仕事なのではなく、あくまで利用者の生活をサポートすることが重要なのです。そこで求められる信頼関係は、友人同士のそれとは異なるのです。プロの介護士として丁寧に接することを心がけ、相手を敬い大切にする気持ちをもって敬語を使えば、自然と相手からの信頼も勝ち取ることができるのです。