認知症を患っている高齢者を介護しているうちに、相当にイライラしてしまうことが起こり得るのは確かです。しかし、介護でイライラしている時ほど、相手にかける言葉には注意しないといけません。認知症を患う高齢者には言ってはいけないNGな言葉が存在しており、それを言ってしまうと症状が悪化してしまう恐れがあります。
NGな言葉の代表格は高齢者を否定する言葉で、たとえそれが客観的な事実であっても言うのはNGです。認知症を患うと認知機能の衰えにより、現実の状況と食い違うことを言ってしまうことがあります。実際は、介護を受けている状態でありながら現役で働いていると思い込む、食事を食べた直後なのに食事を食べていないと主張する、などが代表的な例です。このような、現実の状況と食い違う言葉が認知症を患う高齢者から出てくると、ついつい否定したくなるかもしれません。しかし、自身の言葉を否定された高齢者は大きな悲しみを感じる可能性があります。さらには、認知症の悪化につながる恐れも。客観的に見れば事実と異なることであっても、その人の中では間違いのない事実なので、そこを否定すると関係性も悪化しかねません。
また、認知機能が衰えると高齢者が突拍子もない行動に出る可能性がありますが、その行動を見つけた時に強い言葉で非難するのもNGです。非難の言葉を口にすると、認知症の悪化につながったり、高齢者が怯えてしまったりする可能性があります。